重慶は以前、四川省の一部だった
現在、中国には直轄市という、中央政府が直接に管轄する市が4市あります。
北京・上海・天津・重慶です。この中で重慶は最も面積が広く、最も人口が多い直轄市です。
重慶は直轄市になる前まで、四川省に属していました。ですが地域すべてが四川に属していたわけではありません。
春秋戦国時代、今の四川省一帯は、蜀の国に属していました。そして、今の重慶市一帯は巴の国に属していました。
蜀と巴は帰属しておらず、この二つの地域はそれぞれ蜀の文化、巴の文化が誕生しました。
なので四川省の略称は「川」または「蜀」、重慶の略称は「渝」または「巴」となります。
蜀と巴は今の四川省と重慶の古代の呼び方なので、現代ではほとんど使われず、一般的には四川省は「川」、重慶は「渝」という漢字が使われています。
略称の「渝」は隋代に嘉陵江の旧称 渝水 にちなんで渝州と改称されたことに由来します。
もし重慶や四川に来る機会があったら、車のナンバープレートを見てみてください。重慶では「渝」、四川では「川」が使われていますよ。